皆さんは「投資」にどのようなイメージをもっていますか?大金を賭けて儲けるか失敗するか、といったギャンブルのような良くないイメージを持っている方も多いかもしれません。
たしかに投資にはリスクがつきものです。ただし、リスク=危険ではありません。リスクについて正しく知ることで、リスクを回避することができます。
リスクとリターンという考え方
金融商品の特徴として知っておくべきなのが、「リスク」と「リターン」という考え方です。
金融商品で得られる成果を「リターン」といいます。
一方、期待通りの成果が得られるかわからない不確実な度合いのことを「リスク」と言います。
リスクとリターンには、密接な関係があります。リスクが低ければ、リターンが低くなり、高いリターンを望むと、その分リスクも高くなります。
まずは、リスクから説明していきます。
リスクとリターン
リスク
投資で一番心配なのが「リスク」についてではないでしょうか。
リスクとは「危険」「避けるべき」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。リスクがあるから、損をしてしまう、危険なものだと思ってしまうかもしれませんが、金融の世界では少し異なります。
金融の世界でいう「リスク」とは、期待したリターンが予想を上回ったり下回ったりする可能性があることを意味します。
つまり「リスクが大きい」ということは、「大きな利益が得られるかもしれないし、大きな損失をするかもしれない」、つまり値上がり・値下がりが激しいということを指します。
リスクとリターンの関係
リスクとリターンは、とても密接に関係しています。リスクが低ければ、リターンは低くなります。高いリターンを望めば、その分リスクも高くなります。
大きな収益を得たいならば、リスクも大きくなり、大きな損失も覚悟しなければならない、と言えます。
※図
リスクの種類
リスクには様々な種類がありますが、ここでは代表的なものを簡単にご紹介していきます。
価格変動リスク
金融商品の値段が上がったり下がったりすることで発生するリスクのことです。投資における一番代表的なリスクでもあります。
流動性リスク
金融商品を売りたい時に売れない、もしくは売りたい値段で売れないなどのリスクのことです。買い手が見つからなかったり、希望の条件で売却できないことがあるということを知っておきましょう。
信用リスク
信用リスクとは、債券や株式を発行する企業などの財政状態が悪くなったりすることで、債務が回収できなくなることです。
信用リスクが起こるのは、企業だけではなく、国債を発行している国なども対象になります。
カントリーリスク
海外の金融商品を購入している場合、その国の政治情勢や経済状況の変化によるリスクが考えられます。国ごとの信用リスクなどをまとめたカントリーリスク情報が、調査会社などから発表されているので、それらを参考にリスクについての情報を得ることができます。
リスクの分散
リスクとリターンについて、そしてそのような種類のリスクがあるかをみてきました。最後にこれらのリスクどのように回避したらいいかということについて解説します。
リスクをなるべく減らすためにすべきことは、「リスクの分散」です。
投資を始めよう!と思ったときに、一度に全ての金融商品を買ってしまうとリスクが高まります。買った時がとてもいいタイミングで、これからどんどん価値が高まるのであれば良いのですが、現実的にうまくいかない可能性も大いにあります。
リスクを分散させる方法として大きく2つの方法があります。
資産の分散
一つの金融商品にまとめて投資するのではなく、値動きの違うさまざまな種類の資産に分けて投資することで、リスクを分散させることができます。
例えば、国内株式だけでなく、国内債券、外国株式、新興国債券などといくつもの種類に分けて投資することで、リスクを減らすことができます。
時間の分散
一度にまとめて投資するのではなく、数回に分けて投資することも、リスク回避のひとつの方法です。また、投資信託における積立投資も時間の分散になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「リスク」と聞くと危険なイメージを持ってしまいますがそうではありません。リスクがあるから危険なのではなく、しっかりリスクについて理解し、対策することで回避することができます。
みなさんも投資を始める前にリスクとその対策を学んでおきましょう。