今回の記事では、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を分析します。
つみたてNISAでも大人気の商品で、SBI証券の月間積立設定金額ランキング(つみたてNISA)では、3位のファンドでした。(2021/2/1~2/28)
これからつみたてNISAを始めようと思っている人、このファンドを検討している人はぜひこの記事を参考にしてみてください。
このおすすめファンドシリーズでは、ランキング上位5つのファンドを同じように紹介しているので、ぜひ比較もしてみてください。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基本データ
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」について、まずは基本データを確認します。
概要
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国の株式市場を代表するS&P500をベンチマークに、連動を目指すインデックスファンドです。
純資産総額3,000億円を突破し、インデックスファンドの中ではかなり人気があります。
正式名称 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
設定日 | 2018年7月3日 |
運用形態 | インデックスファンド |
投資形態 | ファミリーファンド |
ベンチマーク | S&P500 |
購入時手数料 | なし |
信託財産留保額 | なし |
信託報酬 | 0.0968% |
実質コスト | 0.141% |
純資産総額 | 3,239.34億円 |
マザーファンド純資産総額 | 771.8億円 |
分配金実績 | なし |
つみたてNISAでの取扱い | 対象 |
ポイント還元等 | SBI証券ポイント還元年率:0.0374% 楽天証券ポイント還元:0.048% |
※詳しい用語の解説は「SBI・バンガード・S&P500を分析!」の記事をご覧ください。
ファンドの特色
このeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の特徴はどのような点にあるのでしょうか。
主に3つのポイントがあります。
①S&P500指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざして運用を行う。
このS&P500は、米国を代表する株価指数で、大型株から選ばれた500銘柄で構成されています。東証株価指数(TOPIX)と同じように時価総額を指数化したもので、大型株の米国株式約80%をカバーしていると言われています。
このファンドでは、S&P500指数に連動するように運用し、投資成果あげることを目指します。
②対象インデックスに採用されている米国の株式に投資を行う。
対象インデックスとの連動を維持するため、先物取引等を利用して株式の実質投資比率が100%を超える場合があります。
③為替ヘッジを原則行わない。
為替ヘッジを行わないため、為替相場の変動による影響を受けます。
為替ヘッジとは
一定の為替レートで外貨と円を交換する契約など、先物契約を利用することです。
海外の外貨建て資産に投資をする場合、常に為替の影響を受けるため、日本円にすると収益が減ったり、損になったりすることがあり、これを避けるために利用されます。
為替ヘッジを行わないことが良くないわけではありません。
ここでは、為替の影響を受け、円安でプラスに影響することもあれば、円高でマイナスの影響になることもあるということを覚えておきましょう。
投資対象
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)では、S&P500をベンチマークに、米国株式に投資しています。
このファンドは、ファミリーファンド方式で、マザーファンドを通して、米国株式に投資しています。
以下の図のような仕組みです。
次に、投資対象国、投資先銘柄比率を見てみましょう。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の投資対象国は、当たり前ですがアメリカのみです。
保有している銘柄数は505銘柄で、S&P500を構成する銘柄を全て保有していることになります。(2021年2月時点)
また、投資先銘柄の上位10位は以下の表の通りとなります。
シリーズ②でも紹介した、eMAXIS Slim オール・カントリーでも上位にランクインしていた銘柄たちです。
最後に、eMAXIS Slim シリーズについて解説します。
eMAXIS Slimシリーズは、「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるファンド」を目指す、三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドです。
このシリーズであれば、基本的に運用コストが最低水準に近いと覚えてもらえれば大丈夫です!
手数料
このファンドの手数料を詳しく見ていきましょう。
先ほども紹介しましたが、eMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の運用コストを目指しているということからも、最大の魅力は、信託報酬の低さにあります。
信託報酬は、S&P500や米国株式を投資対象としたインデックスファンドの中でも最低水準の0.0968%(税込み)で、表には出てこない隠れコストも含めた実質コストも、0.141%と低水準と言えます。
その他の手数料、購入時手数料や信託財産留保額は無料です。
さらに、このファンドは、オールカントリー同様に、受益者還元型信託報酬を採用しており、純資産総額に応じて、信託報酬率が変わります。
以下の表のように信託報酬は変動します。
純資産総額 | 信託報酬(税込み) |
500億円未満の部分 | 0.0968% |
500億円以上1,000億円未満の部分 | 0.09625% |
1,000億円以上の部分 | 0.0957% |
既に純資産総額2,000億円を超えているため、受益者還元型信託報酬が適用され、信託報酬は引き下げられています。
そして、このeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のライバルとも言えるのが、シリーズ①で紹介したSBI・バンガード・S&P500です。
現在は、SBI・バンガード・S&P500の方が若干ではありますが、信託報酬、実質コストが低くなっており、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が負けてしまっています。(2021年2月時点)
ただ、コスト以外も比較検討するべき点はありますので、運用状況も見ていきましょう。
運用状況
資金流出入額と純資産総額
このファンドは、2018年7月設定と比較的新しいファンドではありますが、投資信託の中でもかなり人気の高いファンドです。
現在の純資産総額は3,239.34億円(2021年3月17日時点)で、3,000億円を突破しています。
分配金について
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)では、分配金を出していません。
分配金を出すか否かは運用会社によりますが、多くのインデックスファンドで分配金を出さない無分配となっています。
取扱い会社
このファンドの取り扱いを行っている主な金融機関は以下の通りで、つみたてNISA対象ファンドです。
ちなみに、こちらのファンドはiDeCoでも運用可能で、マネックス証券、SBI証券、松井証券で取扱いがあります。
購入を検討する際は、口座開設をしようと思っている金融機関で取り扱いがあるか、必ず確認してください。
まとめ
今回の記事では、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を分析しました。
純資産総額3,000億円を突破し、人気の高いファンドであることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
このファンドの人気の秘密は、業界最低水準の運用コストを目指している点と、世界を代表する米国企業へ投資するインデックスファンドである点にあるのではないでしょうか。
同じ米株市場で低コストなSBI・バンガード・S&P500と迷われる方も多いと思いますが、こちらのファンドは、楽天証券でも取扱いがあります。
楽天経済圏を活用したい方にとっては、こちらのファンドがおススメかもしれません。
また、iDeCoで購入したい方は、取り扱いのある金融機関があるため、こちらがおススメです。
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