eMAXIS Slim オールカントリーの評価と評判を徹底分析!手数料や利回りも掲載

 今回の記事では、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を分析してきます。

1本で全世界の株式に投資することができるこのファンドは、つみたてNISAでも大人気の商品です。

購入を検討している人はぜひこの記事を参考にしてください!

他の記事で、SBI証券の月間積立設定金額ランキングの上位5つ(2021/2/1~2/28)のファンドを紹介しているので、ぜひ比較もしてみてください。

eMAXIS Slim オールカントリーの基本データ

 「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の基本データを見ていきましょう!

概要

 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、日本を含む全世界の株式に投資をする純資産総額1,000億円を突破したファンドです。

正式名称eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
運用会社三菱UFJ国際投信
設定日2018年10月31日
運用形態インデックスファンド
投資形態ファミリーファンド
ベンチマークMSCI All Country World Index
購入時手数料なし
信託財産留保額なし
信託報酬0.1144%
実質コスト0.205%
純資産総額1,259億円
マザーファンド純資産総額先進国株式:4,498億円
新興国株式:1,041億円
日本株式:18.4億円
分配金実績なし
つみたてNISAでの取扱い対象
ポイント還元等SBI証券ポイント還元年率:0.03%
楽天証券ポイント還元:0.048%
(2021年2月末時点)

※詳しい用語の解説は「SBI・バンガード・S&P500を分析!」の記事をご覧ください。

SBI・バンガード・S&P500の評価と評判を徹底分析!手数料や利回りも掲載

 MSCI All Country World Index:全世界49カ国(先進国23カ国、新興国26カ国)の大型株、中型株、約3,000の銘柄から構成される時価総額加重平均型の指数。

時価総額加重平均株価指数:株価指数算出方法の一つ。
加重平均とは、平均値を算出する際に、単純に平均せず、量の大小を反映する計算方法のこと。
時価総額加重平均株価指数は、組入銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計と比較することで求めている。

ファンドの特色

 では、このeMAXIS Slim 全世界株式オール・カントリー)の特徴を確認してみましょう。

主に3つのポイントがあります。

MSCI All Country World Indexに連動する投資成果を目指して運用を行う。

 オール・カントリーは、日本を含む世界中の先進国新興国の株式市場の値動きに連動した投資成果を目指しています。

対象インデックスに採用されている日本を含む先進国をよび新興国の株式等への投資を行う。

 国内や先進国だけではなく、新興国の株式へ投資しているため、全世界に分散投資するこができます。

為替ヘッジを原則行わない。

 為替ヘッジを行わないため、為替相場の変動による影響を受けます。

為替ヘッジとは

 一定の為替レートで外貨と円を交換する契約など、先物契約を利用することです。
海外の外貨建て資産に投資をする場合、常に為替の影響を受けるため、日本円にすると収益が減ったり、損になったりすることがあり、これを避けるために利用されます。

為替ヘッジは必ずしも利用した方が良いというわけではありません。

ここでは、為替の影響を受け、円安でプラスに影響することもあれば、円高でマイナスの影響になることもあるということを念頭に置いておきましょう。

投資対象 

 eMAXIS Slim 全世界株式オール・カントリー)では、MSCI All Country World Index[ACWI]をベンチマークに日本を含む先進国、新興国に投資しています。

ACWIだけで、全世界株式の時価総額の約85%をカバーすることができると言われています。

このファンドは、マザーファンド方式をとっており、外国株式インデックスマザーファンド、新興国株式インデックスマザーファンド、日本株式インデックスマザーファンドの3つのマザーファンドを通して投資を行います

以下の図のような仕組みです。

(交付目論見書より)

 外国株式インデックスマザーファンドはeMAXIS Slim 先進国株式インデックス、
新興国株式インデックスマザーファンドは、eMAXIS Slim 新興国株式インデックスと同じマザーファンドで、純資産総額も巨大なマザーファンドファンドです

日本株式インデックスマザーファンドは、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と同時に新規で設定され、3億円からスタートし、2020年4月には純資産総額が約18億円になりました。

では、投資対象地域、投資対象国、投資先銘柄比率を見てみましょう。

投資対象地域別の比率を見てみると以下のようになります。

先進国株式81.0%
新興国株式12.3%
国内株式6.7%

ベンチマークのMSCI ACWIは、時価総額加重平均指数のため、その時点の時価総額で先進国、新興国、国内比率が変化します

投資対象国、地域比率は以下のようになります。

 投資先の国・地域比率トップは、アメリカ55.4%で、全体の半分以上を占めています。日本6.7%イギリス3.6%と続いています。(2021年2月時点)

(eMAXIS Slim 全世界株式:月次レポート2021年2月より)

投資先銘柄は以下のようになります。

 eMAXIS Slim 全世界株式オール・カントリー)は、2,958銘柄に投資しています。

(eMAXIS Slim 全世界株式:月次レポート2021年2月より)

上位10銘柄中、7銘柄がアメリカで、残り2銘柄がケイマン諸島(中国)1銘柄が台湾という構成です。

 最後に、そもそもeMAXIS Slim(イーマクシス スリム)って何?と思っている方も多いと思うので、このシリーズについて説明します。

eMAXIS Slimシリーズは、「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるファンド」を目指す、三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドです。

実際、ファンドの設定からすでに数回、信託報酬を引き下げ、常に最低水準の座を維持しています。

手数料

 このファンドの手数料を詳しく見ていきましょう。

先ほども紹介したように、eMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の運用コストを目指しているということからも、最大の魅力は、信託報酬の低さです。

信託報酬は、全世界株式インデックスファンドとして低水準の0.1144%(税込み)で、実質コスト0.205%と低水準と言えます。

その他の手数料、購入時手数料信託財産留保額無料です

さらに、このファンドは、受益者還元型信託報酬を採用しており、ファンドの純資産総額に応じて、信託報酬率が変わります。

受益者還元型信託報酬:「純資産総額500億円以上」「純資産総額1,000億円以上」といった基準を設け、基準を超えた部分について、より低い信託報酬率を適用する仕組み。

以下のように信託報酬は変動します。

純資産総額信託報酬(税込み)
500億円未満の部分0.1144%
500億円以上1,000億円未満の部分0.11385%
1,000億円以上の部分0.1133%

このファンドは、2021年2月に純資産総額が1,000億円以上となっています。

eMAXIS Slimシリーズのうち、1,000億円を超えたものは、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim先進国株式インデックスに続く3本目となります。

運用状況

次に、このファンドの運用状況を見ていきましょう。

資金流出入額と純資産総額

 このファンドは、2018年10月設定と比較的新しいファンドではありますが、毎月25~50億円と多くの資金流入があり、人気の高いファンドです。

現在の純資産総額は125,985百万円(2021年3月16日時点)です。

(eMAXIS Slim 全世界株式:月次レポート2021年2月より)

分配金について

 eMAXIS Slim 全世界株式オール・カントリー)では、分配金を出していません

分配金を出すか否かは運用会社によりますが、多くのインデックスファンドで分配金を出さない無分配となっています。

取扱い会社

このファンドの取り扱いを行っている主な金融機関は以下の通りで、つみたてNISA対象ファンドです。

SBI証券・楽天証券・auカブコム証券・松井証券・LINE証券・SMBC日興証券・マネックス証券・岡三オンライン証券・GMOクリック証券等。

ちなみに、iDeCoでも運用可能で、マネックス証券松井証券で取扱いがあります。

購入を検討する際は、口座開設をしようと思っている金融機関で取り扱いがあるか、必ず確認してください。

まとめ

今回の記事では、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を分析しました

SBI証券のランキングでも、2位という人気の高いファンドですが、この人気の秘密は、業界最低水準の運用コストを目指している点と、全世界に分散投資ができるインデックスファンドである点にあるのではないでしょうか。

つみたてNISAでファンドに迷っている場合は、まず検討したいファンドであることは間違いないでしょう。
一本で十分なファンドで、コストも低水準のため、初心者の方にまずオススメの商品であると思います。

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