つみたてNISAの利回りはどれくらい?銘柄選びのポイントについて解説

「つみたてNISAってよく聞くけど、どれくらい儲かるの?」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。

つみたてNISAは、投資信託・ETFを中心に201銘柄(2021年11月時点)が購入できます。しかし、初心者の方は、どのような銘柄を選べば良いのか悩みがちではないでしょうか。

これからつみたてNISAを始める人にとって、平均利回り銘柄の選び方は知っておきたいポイントです。

実際に、

「つみたてNISAの平均利回りはどれくらいなの?」

「銘柄の選び方やポイントを教えて欲しい」

と考えている方は多いでしょう。

 この記事ではつみたてNISAの利回りや銘柄の選び方について解説します。

最後まで読めば、 つみたてNISAを始めるかどうかの参考にできるでしょう。

つみたてNISAとは?銘柄の特徴や利回りを解説

そもそもつみたてNISAとは2018年1月から開始された制度であり、国の基準をクリアした投資信託・ETFを対象商品とした非課税制度です。

投資で得た利益は最大で20年間非課税にできます。毎年の投資上限額は40万円までです。

それではつみたてNISAで取り扱っている銘柄にはどのような特徴があるのでしょうか。

始めにつみたてNISAの銘柄数や種類、期待できる利回りについて解説します。

つみたてNISAの銘柄数について

現在、投信信託は約6,000本あると言われていますが、その中で「つみたてNISA」として購入できる銘柄は201本と厳選されています。

出典:つみたてNISA対象商品の分類(2021年10月25日時点)

取り扱っている銘柄の多くは投資信託であり、国内・国外の株式型と国内外の資産複合型が大部分を占めています。

インデックスファンドとアクティブファンドとは?

つみたてNISAの銘柄はインデックスファンドアクティブファンドに分かれており、安定した利回りを重視するのであればインデックスファンドを選択するのをおすすめします。

インデックスファンドとは株価指数などの指標に連動した投資信託・ETFであり、日経平均インデックス(指数)であれば、日経平均価格に連動してリターンを狙うのが可能。

組入銘柄は基本的に指数の構成銘柄と同一であり、銘柄の調査や分析が不要であり、さらに低コストで運営できるため手数料(運用管理費用)が安く設定されている特徴もあります。

ベンチマーク(目安)となる指標は日経平均株価・ダウ平均株価といった株価指数や債券指数・REIT指数(不動産投資信託)・コモディティ指数などです。

一方でアクティブファンドとは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが投資判断をして銘柄を選択します。

数多くある企業を詳細に調査・分析し、企業を選別して投資を行っていくのがアクティブファンドの特徴です。

アクティブファンドは株式指数のようなベンチマークを超えることを目指している銘柄であるため、インデックスファンド以上の利益を狙います。

リターンは大きめですが、その分だけインデックスファンドより価格変動リスクもあるので、注意が必要です。

このようにインデックスファンドとアクティブファンドは性質が違うため、どちらを選ぶかは運用の目的によって異なります。

しかし、これから投資を始める初心者は、なるべくリスクを抑えるためにもインデックスファンドを選ぶと良いでしょう。

つみたてNISAの利回りは?株式指数に投資した場合の利益を検討

つみたてNISAの制度は2018年1月にスタートしたばかりであり、まだ年数が浅めであるため厳密な利回りを求めるのは困難ですが、一般的に3~7%ほどと言われています。

加えてつみたてNISAで高い人気となっている銘柄がベンチマークとしている株式指標の多くが米国株市場です。

ここでは米国の代表的な株式指数である「S&P500」を例にして、実際の値動きを見てみましょう。

出典:Google Finance|S&P500

2018年1月26日時点での価格は2872.87円であり、その3年10か月後である2021年11月26日時点では4594.62円にまで上がっています。

すなわち、つみたてNISA開始の時期にS&P500に連動するインデックスファンドを購入していたとしたら、約6割ほどの資産を増やせていたことになるでしょう。

もちろん、つみたてNISAでの運用は毎月での分散投資が基本になりますし、購入するタイミングや運用手数料などによって利益は変動するのでご注意ください。

つみたてNISAの銘柄はどう選ぶ?選定ポイントを解説

ここまでつみたてNISAで取り扱っている銘柄の特徴や、期待できる利回りについて押さえた上で、初心者にはインデックスファンドがおすすめであるとお伝えしました。

それでは、実際に銘柄を選ぶにはどうすれば良いのでしょうか。

銘柄を選定するポイントは地域・資産の2点であり、さらに時間の分散が有効です。

地域・資産・時間を分散させればリスクヘッジになりますが、大きなリターンは期待できません。

一方で分散させなければリターンを狙える代わりに、リスクが大きくなります。

それぞれのポイントについて解説しましょう。

選定ポイント1.地域の分散

1つ目のポイントは地域の分散です。

購入銘柄によって投資先の地域(国)は異なり、地域を分散すれば安定した運用を期待できます。

例えば日本国内と海外、さらに海外の中でも先進国(米国・ユーロ圏など)と新興国(東南アジア・南米など)のように、複数の地域への分散投資が可能です。

外国株式銘柄であれば、ほぼ全世界が投資対象となり、価格変動リスクを抑えられるでしょう。

反対に、より高い利回りを目指すのであれば、投資先の地域を限定するのも1つの選択肢です。

選定ポイント2.資産(金融商品)の分散

2つ目のポイントは資産の分散。

株式・債券・商品など特徴の異なる複数の金融商品に投資すれば、価格変動リスクを抑えられます。

それに対して、リスクを負ってでも高いリターンを求めるなら、株式のように資産を集中させると良いでしょう。

価格変動リスクを抑えるには債券やREIT、コモディティなど複数の金融商品に分散投資するのも有効な手段です。

時間の分散も有効

2つの銘柄選定ポイントに加えて、時間の分散も有効です。

金融商品はどのようなタイミングで暴騰・暴落するか分からず、投資した直後に大きく価格変動するケースもあるでしょう。

そうしたリスクを回避するために、一度に大きな金額を投資するのではなく、時間間隔を空けて少額ずつ投資するのがおすすめです。

つみたてNISAでは毎月一定の金額を同じタイミングで投資できます。

例えば「毎月15日に1万円を投資する」と設定できますし、投資する日や金額を途中で変更も可能。

積み立て投資は時間的な分散投資となり、リスクに強い投資方法と言えます。

まとめ

今回はつみたてNISAの銘柄や利回りについて解説しました。

2021年11月時点で、つみたてNISAで購入できる銘柄は201本あり、これから投資を始める初心者にはインデックスファンドがおすすめです。

インデックスファンドとは株価指数などの指標に連動した投資信託・ETFであり、アクティブファンドよりもリターンは少なくなるケースもありますが、リスクを抑えられます。

そしてつみたてNISAの強みは地域・資産・時間の分散投資が可能である点であり、リスクに強い投資が可能です。

また年間40万円までであれば、最長20年間は税負担がありません。

これから資産運用を始める方には、リスクを抑えつつ安定した運用を期待できるつみたてNISAがおすすめです。

本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織などとは関係ありません。また、2021年11月時点での情報をもとに、わかりやすさを優先して解説していますので、細部は必ずしも厳密とは限りません。

また、本稿は特定の金融商品の取引を推奨し、勧誘するものではありません。

ABOUT US

池田 昇太
ファイナンシャルプランナー2級。 「人々のお金の不安を解消したい」という想いを抱きつつ、FPとして相談業、金融ライターとして業務を請け負う。ライターとしてはメディアのSEO記事や取材記事の執筆・編集・ディレクションなど。 また、個人投資家としてFX・株式・投資信託・仮想通貨などにも投資している。