ミニ株とは
ミニ株とは、「株式ミニ投資」の略のことです。
株の取引は通常、100株、1000株などを1単元とし、決められた単元で行われます。
ですが、ミニ株を利用すると、決められた単元より小さい単位から注文でき、少ない金額からでも取引が始められるのです。
ミニ株と単元未満株
ミニ株と同様に少額から投資できる株式に、「単元未満株」があります。
決められた単元より小さい単位から注文できることは共通していますが、厳密には異なるものです。
①ミニ株:単元株数の10分の1から売買が可能
②単元未満株:1株から売買可能
ミニ株 | 単元未満株 | 単元株(100株) | |
売買単位 | 単元の10分の1 | 1株 | 100株 |
例えば、単元株数が100株だとすると、ミニ株であれば10株から、単元未満株は1株から購入できる、ということです。
かつては、単元株数の10分の1から注文するミニ株が主流でした。
しかし最近では、1株から購入できる単元未満株を扱う証券会社も多く、単元未満株をミニ株を呼ぶことも多いようです。
今回は、単元未満株も含めたものを「ミニ株」として扱い、解説していきます。
ミニ株の特徴
ミニ株 | 単元未満株 | 単元株 | |
配当金 | 持分に応じて配当 | 持分に応じて配当 | 1単元分相当の配当 |
株主優待 | 企業の規定による | 企業の規定による | 保有する単元数による |
議決権 | なし | なし | 1単元につき1つ |
株式を保有すると企業から配当金が分配されます。
ミニ株でも、保有する株数に応じて配当を受け取ることができます。
しかし、いくつか株式とミニ株で異なる点もあります。
一つは、ミニ株を保有する場合は、議決権がないということです。
また、株主優待券についても、各企業が定めた株数を保有していないと受け取ることができません。
単元株数未満でも株主優待券を受け取れる場合もありますが、企業によっても規定の株数が異なるのでチェックが必要です。
いくらから買えるの?
では具体的に、いくらからミニ株を買うことができるのでしょうか。
例えば、A社の株が1株当たり4,000円だったとします。
本来の株式投資であれば、単元株数が100株だったとして、40万円かかるところ、ミニ株であれば1株4,000円から売買できます。
まずは自分の知っている企業の名前で株価を検索してみるのも面白いかもしれませんね。
ミニ株のメリット・デメリット
メリット
①ミニ株は少額から投資できる
ミニ株のメリットは何といっても、少額から株式に投資ができる点です。1,000円からでも売買できる銘柄もあるので、気軽に始められます。
②リスクを抑えられる
一つの銘柄を少ない単位で購入できるので、分散投資がしやすいこともメリットでしょう。
特に初心者の場合は、損をすることを不安に感じる人も多いでしょう。
少額で分散投資がしやすいので、一つの銘柄が下落しても、他の銘柄で補い、全体的な下落リスクを抑えることができます。
③株式投資の勉強・練習になる
株式投資はハードルが高いと感じている人も多いのではないでしょうか。
前述の通り、ミニ株は少額から投資できるので実践しながら投資の勉強ができます。
株式投資のための資金を貯めている段階の人でもミニ株で実践することで、金額が大きくなったときのための練習にもなります。
デメリット
少額からでも投資できるというメリットがある分、
ミニ株ならではのいくつかの制約もあります。
①手数料の比率が高い
少額で購入できると分、手数料の比率が高くなりやすいというデメリットがあります。
国内株式アクティブプラン | ミニ株 |
1日の約定代金 100万円まで 0円 | 約定代金の 0.5% (最低50円) |
例えば、ある証券会社では、国内株式アクティブプランには「1日の約定代金100万円まで0円」と書いてあったとします。
これはつまり、株式投資の場合は1日の売買の金額が100万円までなら手数料がかからないという意味になります。
そして、ミニ株の欄を見ると、約定手数料0.5%、最低50円と書かれています。
これは10,000円の取引をした場合は50円、10万円の取引をした場合は500円の手数料がかかるということを意味しています。
また、1,000円の取引であったとしても、手数料が5円になるわけではありません。最低50円の手数料がかかるので、1,000円でも10,000円でも50円の手数料がかかります。
1,000円の取引だと手数料の割合は大きですし、10,000円の売買でも株式投資と比較すると割高です。
上の例を簡単にまとめる下のようになります。
株式の手数料 | ミニ株の手数料 | |
1,000円 | 0円 | 50円 |
10,000円 | 0円 | 50円 |
10万円 | 0円 | 500円 |
100万円 | 0円 | 5,000円 |
ミニ株取引の場合、売買を頻繁に行うとその分手数料もかさむので、注意する必要があります。
このほかにも、購入金額ごとに手数料がかかる証券会社、手数料が月額制の証券会社など、様々な料金体系があります。
どのような取引をしたいのかによって、自分に合う証券会社を探しましょう。
②リアルタイムの取引ができない
二つ目のデメリットとして、リアルタイムで取引できないことが挙げられます。
これは、売買のタイミングを自分で細かく決定することができないということです。
そのため売買に最適なタイミングで約定できない可能性があります。
証券会社ごとにルールが違うので、証券会社を決める際に確認が必要です。
③大きな利益は期待できない
投資資金が少なくて済む分、大きな利益を狙う場合には向いていません。
「はじめてみたい」「株式の取引に慣れたい」という目的の人におすすめです。
ミニ株で勉強しながら取引に慣れ、徐々に大きな金額を投資してくと良いでしょう。
ミニ株の始める前に
ミニ株は全ての証券会社で取り扱っているわけではありません。
ミニ株を取り扱っている証券会社でも、売買できる銘柄が少ない場合もあります。買いたい企業があっても、ミニ株の対象になっていないこともあるので注意か必要です。
また、証券会社によって「ミニ株」「ワン株」「ひとかぶ」「S株」などと名称が異なります。
口座を開設する前に、これらの点についてしっかり確認しておきましょう。
まとめ
いかかでしたでしょうか?ミニ株は数千円からでも始められるので、大きい金額の取引に抵抗のある人や、まとまった資金がまだない人にもおすすめです。
大きな金額での株式投資のためのステップとして始めてみてはいかがでしょうか。