「投資について全く詳しくはないけど、貯金だけで将来お金は足りるんだろうか」
という漠然とした不安を持っている方は多いと思います。
生きていくには様々な費用がかかります。教育費や住宅費、老後の生活費など、人生のときどきでお金が必要になります。
そこで、今回は将来のためにお金を増やしていく手段として代表的な「貯金」と「投資」の二つを比較し、違いをわかりやすく説明します!
目次
お金を増やしていくには
まずお金を増やすためには、そのための資金が必要です。
「無い袖は振れない」ということわざの通り、そもそも貯金や投資をするお金がなければどうしようもないですよね。
お金を増やしていくには
①収入を増やす
②支出を減らす
のどちらか、あるいは両方が必要です。
しかし、収入を増やすことを今すぐにできる人は少ないでしょう。
そのため、まずは支出を減らせないかを考えていきます。
支出を減らす重要な方法は、今自分が何にお金を使っているのかを把握することです。
紙に毎日の出費を記録しても良いですし、スマホの家計簿アプリで手軽に管理しても良いでしょう。
自身のお金の使い道を知ることで、普段無駄遣いをしていないか、節約できることはないかを検討できます。
そうして出費を抑えることで浮いたお金を使うのではなく、貯金や投資に回すことでお金を増やす事に繋がります。
次に、お金の増やし方である「貯金」と「投資」のメリット・デメリットを詳しく紹介していきます。
貯金のメリット・デメリット
「貯金」とは一般的にお金を蓄えることで、銀行の預金などがこれにあたります。
貯金はお金を貯めることを目的にしており、増やすことが目的ではありません。
では、貯金にはどんな利点や欠点があるのでしょうか。
メリット
①すぐに始められる
貯金は申し込みをしなくてもすぐに始めることができます。銀行口座さえあれば誰でも預金はできますし、「タンス貯金」と言われるように家に現金として保管しておくこともできます。
投資のようにどんな株や商品に投資をしようかな?と考える必要もなく、難しく考えることもありません。
②元本保証があり、リスクがない
銀行口座にお金を預けていた場合、元本保証というものがあります。
そもそも元本とは、いわゆる元手となるお金のことです。始めに説明した、お金を増やすために必要な資金のことですね。
元本保証とは、貯金や投資をした金額(元本)が減少しないように保証することです。
元本が保証されるということは、一般的にはリスクがゼロであることを意味します。
銀行の預金は、銀行が破綻した場合、銀行ごとに1000万円とその利息まで保証する事になっていますが、1000万円を超える場合は保証されません。
つまり、万が一自分が口座を持っていた銀行が潰れてしまったとしても、1000万円までは返ってくるということです。
そのため、安心してお金を保管することができますね。
③必要な時にすぐ使える
銀行などに預けている普通預金などは、基本的に「自由に引き出せるお金」と言えます。
そのため、まとまったお金が必要になってもすぐ支払うことができます。人生には様々なライフイベントがあるため、いざという時のために貯金をしておくことは大切です。
デメリット
①増え方が小さい
現在の日本の銀行預金は、超低金利と言われています。普通預金の平均年利率は0.001%です。これは、もし100万円を1年間銀行に預けていても、たった10円しか利息がつかないということです。1年間で100万円が100万10円にしかならないなんて、ほぼ変わってないのと同じという印象を受ける方も多いと思います。
②資産価値が下がる可能性がある
銀行にお金を預けていたからと言って、安心ではありません。
物やサービス全体の値段が、継続的に上がっていくことをインフレーション、略してインフレといいます。
スーパーで買い物をしていたり外食をしに行ったりすると、「昔より高くなったなあ…」と感じることも多いと思います。
インフレになると、これまでと同じ生活を続けていくために、これまでよりもたくさんのお金が必要になります。
将来物の値段が上がっていきインフレになっても、銀行預金は超低金利のため貯金額はほぼ変わっていません。つまり、実質的にお金の価値が下がっていくのです。
このように、インフレなどによって現金の価値が下がってしまうと、自分が持っている資産が減る事になってしまいます。
③無駄遣いしやすい
必要な時にすぐ使えることが貯金のメリットですが、裏を返せばすぐ使えることで無駄遣いをしてしまうことに繋がります。銀行口座に預金があるとついついお金を使ってしまうという人は、貯金ではなく保険や投資などの別の形でお金を管理することが大切です。
投資のメリット・デメリット
「投資」とは利益を見込んでお金を出すことで、「お金を増やす」ことを目的にしています。
一般には、株式や投資信託、債券、外貨建て商品などの投資商品を購入することを意味します。「貯金は馴染みがあるけど、投資はよくわからない…」という人がほとんどだと思いますので、ここでは投資についてわかりやすく説明していきます!
メリット
①大きく増える可能性がある
投資は購入するものによって大きな利益を得ることができます。
例えば、A社の株式を100万円分購入したとします。1年後にA社の株価が2倍に跳ね上がった場合、自分の買った株式は200万円に価値が上がっているため、100万円の利益を得ることができます。
このように、投資は購入した商品によってお金を大きく増やすことができる可能性があります。
②税金の優遇制度がある
投資で得た利益には通常約20%の税金がかかります。
しかし、NISAやつみたてNISA、iDeCoなどの政府の制度を使って投資をすれば、この税金がかかりません。これらの制度については、別の記事で詳しく解説をしていますので、こちらを参照してください。
③株式であれば配当や株主優待がある
株式を購入すると、配当金をもらえたり株主優待を受けられたりすることがあります。
配当金とは、企業が利益の一部をその企業の株主に分配するお金です。会社の利益の状況で配当金の有無や増減が決定され、年1回もしくは2回支払う企業が多いです。
また、株主優待とは、企業が株主に自社のサービスの割引券や商品などを無料でプレゼントすることです。
このように、株式に投資をすることで、株式の売買によって得た利益の他に「配当」や「株主優待」という形で利益を得ることもできます。
デメリット
①マイナスになることもある
投資は常に利益がプラスになるわけではありません。投資のメリットの例と同じように考えてみましょう。
A社の株式を100万円分購入したとします。1年後にA社の株価が半分に下がってしまった場合、自分の買った株式は50万円に価値が下がっているため、50万円の損失となってしまいます。
このように、投資では利益が50%、100%得られることもあれば、反対に損失が50%、100%となってしまうこともあります。日常生活に必要な資金や、将来必要になってくるお金とは別に、余裕のあるお金で投資を行うことが大切です。
②手間がかかる
まず投資を始めるには、証券口座を開くなどの申し込みや手続きをする必要があります。この手順が貯金よりも複雑なため、面倒臭いと感じてしまう人も多いでしょう。
さらに、投資をする対象は非常に多くあり、その中から何に投資をするのか自分で選ぶ必要があります。そのためには、ある程度投資について勉強をして知識をつけなければなりません。
金融機関や専門家が推奨している商品は、手数料が高い可能性があるため、余計に費用がかかってしまいます。賢く投資をするためには、時間と根気が必要になります。
③心配事が増える
投資では、貯金とは違い投資対象の商品の値段は常に変化します。
そのため、投資はしたけど値動きが気になってしまい、常に気が休まらなくなってしまう、という人もいます。
投資は、万が一損失が出てしまったとしても気にならない程度の余裕のある金額で、行うことが大切です。
貯金と投資の使い分け
ここまで、貯金と投資の違いについて説明しました。
では、実際にお金を増やしたいと思ったとき、どちらを選択すればいいのでしょう?
ここからは、貯金と投資どちらを選べばいいのか、シチュエーションごとに解説していきます。
貯金が向いているシチェエーション
①すぐに必要となる可能性のあるお金
日々の暮らしでは、食費や住居費はもちろんこと、友人や家族と出かけたり洋服を購入したりと、様々なお金がかかります。日常生活資金がなければ元も子もありません。毎日の暮らしで困らないためにも、生活費を蓄えておくことが大切です。
②緊急のお金
人生では、病気にかかる、事故で怪我をするなど思いがけずに大きな出費が必要となることもあります。このような急な出費に備えるために、ある程度のお金は貯金として持っておくと良いでしょう。
③使う予定のあるお金
将来決まった時期に必要となることがわかっているお金は、貯金で用意することがおすすめです。例えば、子供の大学費用として10年後に300万円必要とします。そのためには、今から毎月2万5千円ずつを貯金していく必要があります。投資は元本割れする可能性があるため、10年後に確実に300万円があるとは限りません。貯金のメリットとして挙げた元本保証を利用し、教育資金などの使う予定のあるお金には、貯金が向いています。
投資が向いているシチュエーション
①余裕資金
余裕資金とは、手持ちの資産のうち、生活費や非常時に備えて残しておくお金を差し引いた資金で、当面使う予定がないお金のことです。または、多少減ってしまっても生活に影響を与えないお金のことを指します。
余裕資金を投資に使う事によって、インフレ対策にもなりますし、お金の無駄遣いを減らしながらお金を増やすことができます。
②少し遠い将来のお金
教育資金や老後資金など、今すぐに必要にならなくても、将来のために増やしていきたいお金は、投資の形で長い期間をかけて少しずつ増やしていくと良いでしょう。
投資したお金を現金として引き出して使うためには、投資した資産を売却して現金に換えるなど、一定の手順を踏む必要があります。
また、貯金よりも利益を得られる可能性が高いことから、ある程度先を見越した備えのために活用するのに向いています。
まとめ
ここまで、貯金と投資の違いについて説明してきました。
将来のために計画的にお金を増やすためには、この二つの違いをしっかり理解した上で、どう使い分けるかが重要です。
自分の今の資産状況や今後のライフプランに適した形で貯金と投資を使い分け、充実した人生を歩んでいきましょう!