預貯金の利息だけではほとんどお金がふえないとわかっていても、すぐには「投資でふやしてみよう!」と行動に移せないもの。
「投資に一歩踏み出してみたい」「いつかは始めなければ…」と思いつつ、「投資って、よくわからない」「損をしてしまうかも」「やっぱり怖い」と考えてしまい、立ち止まる人も多いのではないでしょうか。
今回は、投資に興味がある方が投資の最初の一歩が踏み出せない理由を説明していきます。
目次
投資に踏み出せない3つの理由
人生100年時代、現役世代の多くの人が投資による資産形成が必要だと感じています。
一方、「そうは言っても投資にはなかなか踏み出せない」、そんな人も多いのではないでしょうか。
なぜ、必要性を感じても投資をしないのか?
金融庁のアンケート調査(参照元はこちら)によって明らかになった、主な3つの理由をご紹介します。
- まとまった資金がないから
- 投資の知識がないから、マーケットのことがよくわからないから
- 投資は損をしそうで怖いから
3つの理由は以下になります。詳細はそれぞれ説明していきますね。
まとまった資金がないから
若い年代の方では、将来のことを考えて早めに運用を始めたいと考えていながらも、「お金がないから」と諦めている方が少なくありません。
「投資家」と聞くと莫大な資産を持っていたり、富豪だったりというイメージを抱き、「投資はお金持ちがやるものだ」という先入観を抱いてしまっている方が多いのが原因ではないでしょうか。
投資の知識がないから、マーケットのことがよくわからないから
日本では、「投資」について私達が学ぶ機会が少ない特徴があります。
学校で教えてもらうこともないですし、親から投資について教わることも少ない方が多いです。
そのため、投資とは「未知」の存在であり、「難しいから自分にはできない」と思ってしまっている方が多いのではないでしょうか。
また、さらに投資を難しそうだと思わせるのが、マーケットです。
為替や株価など投資した市場の変化などが利益や損失につながるので、マーケットが今後どうなるか?をある程度判断ができないと、投資は難しいと考える原因になってしまいます。
投資は損をしそうで怖いから
「投資に失敗して破産した。」
「信用取引というものを使ったせいで、借金を作ってしまった。」
このように「投資=危険・損をする」というギャンブルと同じようなイメージを抱いてしまい、投資に踏み出せない方が多いと考えられます。
投資では、リターンを得るために「リスク」が伴います。投資の世界のリスクとは、「損をする可能性」を指すのではなく、「リターンの振れ幅があること」を指し、この振れ幅が大きいほど大きく利益が出る可能性もあるし、大きく損をしてしまう可能性もあります。
この「大きく損をしてしまった」という悪いイメージばかりが広まってしまっているんですね。
投資に踏み出せない人の不安を払拭したい!
このようになかなか投資に踏み出せない理由について解説していきました。
投資については学校で習うわけもなく親に教えてもらうわけでもないので、不安を抱いてしまうのは当然だと思います。
そこで、不安をなくすための正しい投資の知識を皆さんにお伝えします。
まとまった資金がない→ 投資は少額からできる
実は、少額からでも始められる投資はたくさんあります。
少額からでも資産形成ができる制度として、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)やつみたてNISAを紹介します。
iDeCoは月額5000円から始められる自分で作る年金制度のことです。毎月一定の金額を積み立てて自分で運用することで、60歳以降に年金または一時金で受け取ります。
つみたてNISAは、証券会社によってはなんと月額100円から始めることもできる政府の投資の非課税制度です。
iDeCoとつみたてNISAについては、詳しくは下の記事で解説していますので、こちらを参照してください。
iDecoとつみたてNISAの参考記事
iDeCoとは?節税効果が高い!収入が安定している人におすすめ
つみたてNISAをわかりやすく、徹底的に解説!
また、お金が無いのであればお金を作る方法を考えて実行すればよいです。
無駄な浪費を減らす、家にある不要なものをメルカリで売るなど、投資を始めるための金額はすぐに自分で作ることができます。
投資の知識がない→最初は知識は最低限でOK
投資初心者の方は、まず何に投資をすればいいのか分からない方が多いと思います。
そんな方でも手軽に始めることができるのが、投資信託です。
投資信託は、投資のプロたちが株式や債券などどの金融商品に投資をするのか選択してくれます。
そのため、最初にどの商品を購入するかだけ決めてしまえば、後は投資のプロに任せることができます。
また、投資信託は一口1万円からと比較的少ない金額から始めることができるのも魅力です。
投資信託についても、詳しくは下の記事で解説していますので、こちらを参照してください。
投資信託の参考記事
投資信託とは? 〜用語も一気に解説!〜
投資は損をしそうで怖い→リスクの少ない投資方法を知る
損をせずに、安心して投資するための3つのコツがあります。
それが、「長期」「積立」「分散」です。
長期投資
まず長期投資とは、その名の通り、じっくりと資産形成するために長期にわたって金融商品を保有し続ける投資方法です。
例えば、発展途上国の株式のような商品は短期的にリターンが大きく変動するため、長期保有に向いていません。逆に、日本の大手企業の株式は長く保有することでリターンの振れ幅が小さくなり、安定した収益を得ることが期待できるものもあります。
また、長期で保有すると、その分、受け取る配当金や株主優待の回数も多くなり、結果として利益を積み上げることが期待できるんです。
このように、金融商品によっては長期で保有することでリスクを少なくでき、またリターン以外の恩恵を得ることができます。
積立投資
積立投資とは、自分が決めたタイミング・金額で定期的に金融商品を購入する投資方法です。積立投資には、定量購入する方法と、定額購入する方法があります。特に、定額で購入する方法は「ドル・コスト平均法」といって、「長期・積立・分散投資」を実践するうえでの大きな武器となります。
ドル・コスト平均法については以下の記事で解説していますので、こちらを参照してください。
ドル・コスト平均法の参考記事
投資信託で長期投資を考えている人へ 〜複利効果とドルコスト平均法〜
分散投資
分散投資は、投資先や購入する時期を分散させることで、価格の変動を抑え、安定したリターンを狙う投資方法です。分散の仕方には、以下の三つの方法があります。
❶資産の分散……株式、債券、投資信託など、特徴の異なる複数の金融商品を組み合わせること。
❷地域の分散……日本国内と国外、あるいは国外でも先進国(米国、ユーロ圏など)と新興国(東南アジア、南米など)のように、複数の地域や通貨の金融商品を組み合わせること。
❸時間の分散……1回のタイミングでまとめて購入するのではなく、積立投資のように複数のタイミングで購入すること。
この三つの分散を組み合わせていくと、より上手にリスクをコントロールでき、損失も抑えることが期待できます。つまり、コツコツしっかりと資産を育んでいけるようになります。
まとめ
投資に興味はあるけれど、最初の一歩が踏み出せない。その原因はいくつか考えられます。しかし、悩んでいるだけでは何も始まりません。
まず、難しいという思い込みを捨てて、投資について知ることから始めましょう。
そして、少額からでもいいので、実際に始めてみる。このように考えれば、投資へのハードルはそれほど高くないと感じられるはずです。
投資家デビューは、思っているほど難しいものではありません。
是非一歩、できる範囲から取り組んでみてはいかがでしょうか。
最初こそ値動きに一喜一憂してしまうかもしれませんが、そんな時は、投資を始めるときに決めた「将来に備えた資産形成」という目標を思い出してみてください。
人生100年時代、「あの時投資を始めてよかった」と思える日が、きっと来ると思います。