投資信託にはさまざまな種類のものがあります。
特に、REITやETFという単語はよく聞くのではないでしょうか?今回はその中のETFについて解説していこうと思います!
目次
ETFって何?
ETFとは
ETFとは、「Exchange Traded Fund」の略で、証券取引所に上場している投資信託です。
方針として、日経平均株価などの指数に連動する運用を目指します。
この連動する指数は国内株式にとどまらず、債券や海外通貨などさまざまなものがあります!
1つ代表的な例を挙げるとすると、「東証株価指数(TOPIX)」に連動するETFがあります。
この場合、このETFはTOPIXとほぼ同じ値動きをするように運用されます。
ETFの仕組み
まず、ETFには現物拠出によるETFと、現物拠出によらないETFがあります。
現物拠出の場合、運用会社は株式を受け取ります。
一方現物拠出でない場合、運用会社が受け取るのは金銭です。
それをもとに債券などに投資を行っていきます。
それに対して指定参加者と呼ばれる証券会社が受け取るのは、ETFの持ち分を示す受益証券です。
そしてETFを市場に売り出します。
基準価額と市場価額
まず、基準価額は発行市場でのETFの取引価格と考えれば良いです。
この値は前日の引け値(終値)によって決まります。
そのため、実際の資産価値とはずれている可能性が高いです。
また、市場価格はリアルタイムに変更されるため、これも基準価額とは一致しません。
この需給を調節する際、市場に出回るETFの量を株式と入れ替えつつ調整し、両者の価格が均衡するようにしています。
ETFの特徴と比較
インデックス運用
ETFは、指標に連動する運用を目指すインデックス運用を行なっているのが特徴です。
通常の投資信託でも、インデックスファンドは存在しますが、証券取引所に上場している点がインデックスファンドとの違いと言えるでしょう。
分配金
ETFに関しては、利益分が必ず分配金として分配されます。
また、海外の債券のETFに関しては、ETFの値が大幅にずれることを避けるために毎月分配型がスタンダードとなっています。
投資信託・株式投資との比較
一般的な投資信託や株式投資と比較をすると以下のようになります!
株式投資 | ETF | 投資信託 | |
販売会社 | 証券会社 | 証券会社 | 銀行・証券会社等 |
上場・非上場 | 上場 | 上場 | 非上場 |
取引機会 | 取引営業時間 | 取引営業時間 | 1日1回 |
取引価格 | 市場価格 | 市場価格 | 基準価額 |
信用・指値取引 | 可 | 可 | 不可 |
報酬 | 配当金 | 分配金 | 分配金 |
コスト(取引時) | 売買手数料 | 売買手数料 | 販売手数料 |
コスト(保有時) | なし | 信託報酬(安) | 信託報酬(高) |
コスト(売却時) | 売買手数料 | 売買手数料 | 信託財産保留額 |
メリット
ETFのメリットは4つあります!
分散投資が比較的容易にできる
TOPIXに連動するETFを例に取ると、連動している株価を全てそのまま買う場合、十億円単位の資金が必要になりますが、ETFを利用すれば20万程度からの購入が可能となります。
このように分散投資を比較的低価格で行えるというのがメリットの1つ目になります。
投資信託に比べてコストが低い
一般的な投資信託の場合、買付手数料が数%あったりしますが、ETFの場合は株式取引と同じ手数料での購入が可能です。
また、保有時にかかる信託報酬に関しても、販売会社に支払う必要がなく、インデックス運用という低コストの運用法を用いているなどの理由から、低い値が設定されている場合が多いのが特徴となっています。
こういった理由から、投資信託よりもコストがかかりにくいのがメリットの2つ目です!
値動きがわかりやすい
値動きに関しても、指数の動きに連動して運用されるため、非常にわかりやすいです。
値によっては、テレビでの値動きの確認も非常に容易です。
リアルタイムで売買可能
通常の投資信託とは違い、市場が空いていればリアルタイムでいつでも売買できます。
また、株式投資同様、指値注文や信用取引ができるのも魅力的です。
デメリット
価格の乖離がある
これはデメリットというよりも注意点となります。
上で述べたように、市場価額と基準価額には乖離があります。
時に大幅な乖離をする可能性もあるかもしれないので、多少の注意は必要です。
分配金の再投資はされない
これが最も大きなデメリットです。
分配金が再投資されないため、複利効果を得ることはできません。
保有時のコストは低いものの、元手部分が変化しなければ将来的に大きなリターンを見込むのは難しくなります。
その点、ETFは資産形成のための長期投資には向かないものとなってしまっています。
コスト
ETFそのものに対する費用
実際に費用として発生するのは、売買手数料・信託報酬・監査報酬です。
監査報酬は保有時に発生し、信託報酬同様に自動的に支払われていきます。
税金
ETFにかかる税金は、通常の投資信託及び株式投資同様20.315%です。
特定口座の対象でもあるため、節税にうまく活用しましょう。
つみたてNISAで使えるの?
正直使いにくいのが現状
つみたてNISAは一部の投資信託とETFを非課税で利用できるシステムですが、正直なところ、ETFはつみたてNISAでは非常に使いにくいです。
というのも、つみたてNISAを利用する場合、大和証券が用意する3種類のETFにしか投資できないのです。
あまりに不便ですね…。
そして、これ以外にも使いにくくしている要因が他にもあるのです。
利用しなくて良い理由
そもそも、つみたてNISAの対象となるファンドは手数料が安いものが選ばれています。
そのため、手数料のやすさというETFのメリットが相対的に薄れてしまうのです。
また、先ほども述べたように分配金の再投資ができず、複利効果を得られないという点が致命的なデメリットになっています。
これでは、長期投資のメリットが半減してしまうため、ETFを選ぶよりは他の投資信託を選んだ方が良いのは明白なのです。
まとめ
ETFにはメリットもありますが、デメリットもあります。
株式投資の延長線上であれば十分選択肢に入ると思いますが、資産形成のための長期投資には不向きになっているため、長期投資を考えている方は今後新しいタイプの ETFが出てきた際に検討すれば良いと思います!