今回は、iDeCoでおすすめした年代別ポートフォリオを紹介していきます。
20代でおススメのポートフォリオはどのようなものなのか、他の年代と比較してその違いを見ていきましょう!
(この記事では、SBI証券のポートフォリオを参考に紹介しています。)
目次
ポートフォリオの考え方とは
まずは、ポートフォリオの考え方について簡単に説明したいと思います。
ポートフォリオとは、保有する資産の組み合わせやその比率のことを指します。
投資では分散投資が基本ですが、その投資先のバランスを考える際に重要なのがポートフォリオを組むことです。
このポートフォリオは、一度組んで終わりということはなく、定期的にリバランスすることが大切だと言われています。
では、どのようなポートフォリオが望ましいのでしょうか。
一般的に、年代やライフステージによって適切なバランスは異なり、性格や目標によってもポートフォリオは変えていくべきものです。
ですが、初心者が自分でポートフォリオを組むことは結構難しいので、悩んでしまう方も多いと思います。
そこで今回は、年代別にiDeCoのポートフォリオとして理想とされているものを紹介します。
他の年代と比較して、20代の若いうちはどんなポートフォリオで資産運用していくべきなのか、一緒に見ていきましょう。
他の年代をみて、将来どのようなポートフォリオにしていくかも考えられるとさらに良いかもしれません。
20代は積極的な運用を目指す!
iDeCoを60歳まで運用するとなると、20代のうちは挽回できるチャンスも多く、積極的な運用を目指すと良いと言われています。
働き始めで収入が少なく、資産を運用に回すのは難しいと思うかもしれませんが、今後収入は増える見込みがあり、時間を見方にすることもできます。
iDeCoは老後資金のための制度なので、20代から老後を意識して運用するのは難しいですが、少額でも積立てていくことが大切になります。
では、実際に割合を見てみましょう。
株式:債券=7:3
積極的な運用を目指すと、ハイリスク・ハイリターンの株式の割合が高くなります。
株式のみではリスクが高いだけなので、ローリスク・ローリターンの債券なども組み合わせることが大切です。
10%くらいは個人の性格や目標で変動させてよいのではないかと思います。
あまりリスクを取りたくない人は、債券の比重を高くしても良いでしょう。
こちらをベースとして、ぜひ自分のポートフォリオを組んでみてください。
30代はライフステージの変化に合わせて調整!
30代も20代と同様に、基本的には積極的な運用が望ましいと言われています。
60歳まで30年はあるので、時間を見方につけた運用を目指しましょう。
また、20代からiDeCoを始めていると、運用にも慣れてきた頃だと思います。
ただ、30代になると、結婚や子育てなども始まり、これまでのように収入を掛金に回すことが難しくなるかもしれません。
iDeCoは原則として60歳まで引き出せないので、すぐに引き出せる資産を別で用意しておくと安心かもしれません。
では、ポートフォリオの割合を見てみましょう。
株式:債券=6:4
20代と比較すると、債券の割合が少し高くなります。
それでも、株式に6割程度まわし、しっかりと資産を増やしていくことが大切です。
収入の変化などによってもこの割合は変わるので、今後も収入が上がるようならば積極的な運用をしても良いのではないでしょうか。
40代は目標未達であればリカバリー、好調ならスローダウン
40代は、子どもの教育費やマイホームを購入した場合、住宅ローンの返済など、家庭に関わる支出が多い年代と言われています。
ただ、40代は収入も増えることが多く、一定の割合で積立てていくことができると言われています。
60代まで20年程ですが、徐々に安全性、安定性も視野にいれつつ運用していくことが大切です。
また、20代、30代から積立て始めている場合は、これまでの運用成果を見直し、このままでも目標到達できそうであれば保守的な運用に、もう少し増やす必要があれば積極的な運用に、というように状況に応じてポートフォリオを変化させることがベストです。
株式:債券=5.5:4.5
40代は債券の割合が高くなり、株式と半々くらいの割合になります。
ただ、40代は一番個人差が出やすく、家族構成や自分の収入の変化、マイホームの有無など、自分の状況によって割合も考える必要があります。
これまでの成果も考慮しながら、運用を続けていきましょう。
50代は安定運用へ移行
50代は、iDeCo運用の最終段階になります。ある程度子育ても落ち着くころで、教育資金や住宅ローンがあとどのくらい必要かといったこともある程度予想できます。
目途が立っていれば掛金を引き上げ、目標到達できるように意識することが大切です。
運用は、退職も近づき運用できる期間が限られてくるため、安定的な運用へ移行していきましょう。
では、割合を見てみましょう。
株式:債券=2:8
50代は、債券が8割を超え、これまで積立ててきたものは確実に維持しながら、資産形成のラストスパートに入っていきます。
不安な方は元本確保型の商品も視野に入れ始めて良いかもしれません。
50代になれば収入が大きく変化することもないと思うので、ゴールから逆算して運用しましょう。
ここまで積立ててきた資産を減らしてしまっては意味がないので、慎重な運用を心がけることが大切です。
60代はリスクを抑えた安定運用
60代以降は、これまで積立ててきた年金資産を取り崩していく期間です。
長年積立ててきた資産を減らすことのないよう、元本確保型の商品で運用するなど、リスクを抑えた運用が大切です。
ただ、老後生活も平均的には20年以上続くことを考えると、年金資産の一部を運用し続けるなど、使うだけではなく、増やすことも考慮すると良いでしょう。
iDeCo以外にも、退職金や預貯金がある場合などは、その他の資産とのバランスを考えて切り崩していきましょう。
では、割合を見てみます。
9割は元本確保型、1割を株式に回しています。
こちらはあくまでも一例のため、参考程度で考えていただきたいのですが、60代のポイントとしては、とにかく資産を減らさないことです。
老後自分が何歳まで生きられるのか誰にもわかりませんし、介護や入院などでお金が必要になるかもしれません。
もしもに備えて、自分の資産には常に余裕のある状態が望ましいと言えるでしょう。
GPIFに学ぶ~ポートフォリオの組み方~
最後に、ポートフォリオを組む際によく引き合いに出される、『GPIF/年金積立金管理運用独立行政法人』の第4期中期目標期間(2020年4月からの5カ年)における基本ポートフォリオを見てみましょう。
GPIFとは、日本の年金を増やしていくことを目的に、約160兆円を運用する世界最大規模の機関投資家です。
ポートフォリオの考え方も、長期的な観点から策定しています。
株式:債券=5:5
多少の前後はあるものの、株式と債券半々の割合になるように運用されています。
過去のGPIFのポートフォリオをみると、国内債券への投資が多かったのに対し、現在はかなりバランスよく運用するようになっています。
ですが、日本国内の金利が低迷し、利回りの高い外国株式や外国債券への投資が増えているため、為替リスクなどは以前よりも高まっているとも言えます。
まとめ
今回は、iDeCoを始める際に参考にしてもらいたい年代別のポートフォリオを紹介しました!
今回紹介したものはあくまでも一例のため、自分の目標や状況に応じたポートフォリオを組む必要はありますが、20代、30代の若いうちは積極的な運用を心がけていきましょう!
時間を味方にできる若いうちに資産形成を始め、運用の経験も積んでいくと良いのではないでしょうか。